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会社を退職する時の各種手続きってどうやるの?【詳細解説】

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退職手続き

 

『会社を辞めます』

私も退職経験がありますが、「初めて会社を退職するときにどんな手続があるのか良く分からないですよね?」

新卒で入社するときって、入社するためのこむずかしい各種手続きは全部会社がやってくれますからね。

『会社を退職する』という非常に気力・体力を浪費するイベントが完了すれば、次のステップは『各種手続き』が待っています。色々と注意点や準備するものがあります。

これから、詳細解説を行いますのであなたがスムーズに退職手続き出来る手助けになれば幸いです。

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退職手続き〜事前準備編〜

退職するために準備しておくことはざっくり5つだけです。この5項目を押さえておけばスムーズに退職ができます。

  1. 退職届(退職願)の提出
  2. 業務引継ぎ及び残務整理の段取り
  3. 退職所得の受給に関する申告書
  4. 住民税の支払い方法の確認(普通徴収/特別徴収)
  5. 健康診断の受診

退職届(退職願)の提出

会社で定められた書式があればそちらを利用し、もし規定の書式が無ければ個人で作成した退職届(退職願)を提出します。

退職届(退職願)は直属の上司就業規則で定められた期日で提出しなければいけません。通常、就業規則で『退職する何日前までに提出すること』と記載がありますので、その期日を守ることになります。守らずに『もう辞めます』なんて身勝手な行動は後々トラブルの種になるだけなので、絶対に避けましょう!

しかし、実際は、退職届(退職願)を提出する前に直接上司へ相談するのが望ましいでしょう。

退職届と退職願の違いとは

退職届

退職届は『退職を届け出る書類』です。退職願とは異なり、退職の意思を撤回することが出来ません。ニュアンスとしては、『絶対に退職します』という強い意思を持って公に表明するということになります。

退職願

退職願は『退職を願い出る書類』です。退職届とは異なり、退職の意思を撤回することが出来ます。ニュアンスとしては、『退職したい』ということを公に表明しているということになります。

辞表

『よく辞表を上司へ提出する』と聞くことがあります。この辞表は、一般的に経営層の取締役や公務員などが提出する書類です。一般的な会社員は『退職願又は退職届』を提出しますので、『辞表』を提出することはありません。

業務引継ぎ及び残務整理

退職届(退職願)が受理された場合、あなたが担当していた業務の後任が決まるはずです。退職する期日までに、その後任へ担当していた業務内容を伝えスムーズに業務が遂行出来るように引継ぎを行わなければいけません。

そして、業務引継ぎで大事な事は『資料で残す』ことです。いくら口頭で説明し、引継ぎ出来たと思っても業務上の勘所や注意事項など細かいところまでは伝えきれません。だからこそ、『引継ぎ資料』として各種業務内容がまとめてあれば、後任もスムーズに引継ぎが出来るでしょう。

退職所得の受給に関する申告書

あなたが手にする退職金にも、実は税金が掛かります。そして、これらの税金は会社から支払われる際に源泉徴収されます。しかし、『退職所得の受給に関する申告書』を提出していない場合

提出する場合

勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた額を元に税額が計算されます。確定申告不要

提出しない場合

退職金そのものに20.42%の税率を掛けた額が源泉徴収されます。確定申告必要

住民税の支払い方法の確認(普通徴収/特別徴収)

退職する時期によって、住民税の支払い方法が2種類に分かれます。

普通徴収

個人が通常年4回(6月、8月、10月、翌年の1月)に分けて納める。

特別徴収

毎月の給与から天引き控除されたものを会社が各市町村へ納める。

 

住民税とは

都道府県民税と市町村民税(東京23区は特別都民税)の総称を指します。住民税の納付方法としては、在職中であれば毎月の給与から天引き控除(特別徴収)されています。

それが退職する月毎に徴収方法と収める金額が変わってきますので、注意が必要です。

退職月
徴収方法
1月
1月分、2月分、3月分、4月分、5月分の5か月分を一括で特別徴収
2月
2月分、3月分、4月分、5月分の4か月分を一括で特別徴収
3月
3月分、4月分、5月分の3か月分を一括で特別徴収
4月
4月分、5月分の2か月分を一括で特別徴収
5月
5月分のみ特別徴収
6月
6月分~翌年5月分の12か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
7月
7月分~翌年5月分の11か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
8月
8月分~翌年5月分の10か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
9月
9月分~翌年5月分の9か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
10月
10月分~翌年5月分の8か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
11月
11月分~翌年5月分の7か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。
12月
12月分~翌年5月分の6か月分を普通徴収か特別徴収かを選択出来ます。

健康診断の受診

健康保険証は、離職日の翌日に効力が失われます。原則として、離職日の翌日から届け期間が設けられていますのですぐに申請すれば良いのですが、退職後は何かと雑務が重なります。健康に留意し、次のステップへスムーズに進めるように、事前に健康診断を受けておき体の悪い部分を治しておくのも1つの方法です。

 

退職手続き〜身辺整理編〜

退職に伴い、身辺整理が必要となってきます。会社へ返還しなければいけないもの・会社から受け取らなければいけないもの。それらを事前に把握しておけば円滑な退職が出来ます。

会社へ返還しなければいけないもの

退職すると、その会社の社員である資格が剥奪されます。貸与されたものは基本的に全て返却の義務があります。あとから問題にならないように、キッチリ返してスッキリと退職したいですね。

  1. 健康保険(健康保険の被保険者証)
  2. 社員証、社章、制服など、会社側から貸与されたもの
  3. 定期券や前払いされた交通費
  4. 借入金(社内融資等)
  5. ロッカーや机の鍵
  6. 会社の経費で購入した物品(文房具、事務用品、印鑑など)
  7. 社内資料・教育マニュアルなどの各種資料

会社から受け取らなければいけないもの

  1. 離職票
  2. 雇用保険被保険証
  3. 厚生年金基金加入者証
  4. 年金手帳
  5. 源泉徴収票

離職票

会社が退職者の離職日から遡って6ヶ月分の賃金支払状況・離職理由などを記入した『雇用保険被保険者離職証明書』と『雇用保険被保険者資格喪失届』を公共職業安定所(ハローワーク)へ提出します。

提出されると、『雇用保険被保険者離職票-1』と『雇用保険被保険者離職票-2』が会社経由で退職者へ交付されます。

原則として、会社が上記手続きを行わなければいけない期間は『資格喪失日(退職日の翌日)』から10日以内となっています。

その為、離職票が退職者へ届くまでに2週間程度掛かることもありますので御注意を!

雇用保険被保険証

基本的に個人で管理する場合が多いですが、会社で保管されている場合は受け取っておく必要があります。公共職業安定所(ハローワーク)にて雇用保険の『求職申し込み』を行う際に必要となります。また、再就職時に新しい会社へ提出します。

厚生年金基金加入者証

会社によって加入している・加入していない場合もあります。加入していた場合は、将来年金を受給するときに必要となりますので、個人で保管しておく必要があります。再就職する際、新しい会社が本制度に加入している場合は提出を行います。

年金手帳

再就職した際には、新しい会社へ提出する必要があります。厚生年金から国民年金への種別変更手続き時にも必要となります。

源泉徴収票

確定申告を行う場合や、再就職した際には新しい会社での年末調整に必要となります。

 

退職手続き〜雇用保険編〜

みなさんの毎月の給与から天引きされていた『雇用保険料』。会社側と折半と言っても、年間合算であれば、そこそこの金額が控除されていますよね?その支払が退職した時にやっと大活躍します

雇用保険の基準手当支給要件

雇用保険は、一般被保険者で離職日以前2年間に被保険期間が通算して12ヶ月以上ある人が失業(離職)した場合で、尚且つ一定の受給要件を満たしている時に初めて受けられる手当となります。

※会社の倒産や解雇による退職の場合は、被保険期間が離職日以前1年間の通算6ヶ月以上に短縮されます。

失業状態について

基準手当は失業状態であると認められないと支給されてません。

【失業状態と認められる方】

  1. 再就職を希望している(就職する意思がある)
  2. すぐに再就職出来る状態にある(就職する能力を有している)
  3. 積極的に就職活動を実施しているが、就職出来ていない状態

【失業状態と認められない方】

  1. 就職する意思が無い状態(離職後、休養を望んでいる、家事に専念する等)
  2. 就職する能力を有していない(病気や怪我、妊娠や出産等)
  3. 仕事に就いている(再就職した、自営業をしている等)

退職理由毎に異なる給付スケジュール

雇用保険の基本手当は上述した要件を満たした方へ、離職日の直近6ヶ月に支払われた賃金の合計を180で割った金額(賃金日額)の50〜80%相当を、基本手当日額として90日〜360日を限度に支給されます。

しかし、退職理由によってその給付スケジュールが異なりますので注意が必要です!

【自己都合での退職の場合】

  1. 失業認定日から待機期間7日の後、3ヶ月の給付制限期間を経てやっと支給対象となります
  2. 実際に給付金が振り込まれるのは、ハローワークでの手続きから約4ヶ月後となります

【会社都合での退職の場合】

  1. 失業認定日から待機期間7日の後、支給対象となります
  2. 実際に給付金が振り込まれるのは、ハローワークでの手続きから約1ヶ月後となります

雇用保険の手続き

退職後、会社から届く離職票(離職票-1、離職票-2)を持参し、住所地管轄のハローワークへ行き所定の手続きを行う。

 

退職手続き〜健康保険編〜

会社員時代は体調が悪くなれば、特に意識せずに病院へ行きますよね??しかし、退職する場合に手続きを行わないで健康保険に未加入の場合、治療費用は全額個人負担となります。

保険加入時の個人負担割合

保険加入時は下表のような個人負担割合となっています。これが健康保険未加入の場合は全額負担です。従って、退職後すぐに新しい会社へ転職が決まっている方以外は、すみやかに保険へ加入すべきです。

年齢 個人での負担割合
小学校入学前 2割
小学校入学以後70歳未満 3割
70歳以上  2割(現役並み所得者は3割)

退職後の健康保険について

退職後の加入すべき健康保険は、退職してすぐ就職するのか?もしくは休養期間を設けるのか?などで異なります。

No 退職後の状態 加入すべき健康保険
1 健康保険制度のある会社へ期間を空けず再就職をする 再就職先の健康保険に加入
2 2ヶ月以上健康保険に加入しており、尚且つすぐに再就職を行わない 任意継続被保険者となることが出来ます
3 休養を設ける為、すぐに再就職しない、尚且つ後述する一定の基準を満たすことが出来る 家族の被扶養者として健康保険に加入
4 No1〜3に該当しない場合 国民健康保険へ加入

扶養家族として健康保険に加入する為の要件

被扶養者となる為の要件

・扶養してもらう家族は3親等以内の家族までの親族であること
・(同居の場合)年収要件は130万円未満で、その家族の年収の1/2未満であること
・(別居の場合)年収要件は130万円未満で、その家族からの援助額より低いこと

 

退職手続き〜年金編〜

退職に伴い、国民年金に関する手続きも必要となります。国民年金の保険料は2年を過ぎると時効となり支払いが出来なくなりますので、2年以内に手続き及び納付を行った方が良いです。

後納制度

・本来は2年分までしか遡れない納付期間ですが、期間限定で5年分まで遡ることが出来ます。
・期間は、平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限る
・未納期間があると年金の受給不可もしくは月額支給額の減額がありますので納付しておく方良いですね

 

さいごに

『会社を退職する』

これは会社へ入社する以上に体力・精神力を疲弊することだと思います。私が経験した体験によって得られた知識をみなさんへ提供することによって、少しでも手助けになれれば幸いです。

以上。

 

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